僕は和歌山に行けない

はじめに

高校の卒業旅行と言えば,高校生としての最後の思い出である。高校生の金銭事情を考えると,基本的には国内旅行になるだろう。特に,ディズニーランドやUSJなど高校生に人気のスポットが行先として多い印象がある。卒業旅行とは,行先よりも誰と行くかが重要であるということは重々承知していたが,どうしても定番スポットは嫌だというひねくれ精神があった。そこで,所さんよろしく,ダーツで決めることにした。すると,ダーツの先は和歌山を指していた。

 

もしも,和歌山出身の人がいたら申し訳ないが,当時の無知蒙昧な私にとっては,和歌山県はみかんのイメージしかなく,正直何もやることがないと思った。また,和歌山には,二度と足を踏み入れないとも思った。そこで,「二度と会わないならどれだけ恥をかいても良い理論」に則り,観光の代わりに罰ゲームゲームをすることにした。

 

罰ゲームゲームとは

罰ゲームゲームとは,ゲームで勝敗を決めて,その勝ち負けに応じて罰ゲームを請け負うというゲームである。まずは,予め考えておいたいくつかの罰ゲームに嫌レベル☆をつけることから始まる。例えば,「旅行中くつを履いてはいけない(☆)」,「旅行中水しか飲んではいけない(☆☆)」という具合だ。そして,罰ゲームを行うためのゲームはプレイステーション2のゲームとした。プレイステーション2の勝敗に応じて嫌レベルを請け負い,実際に罰ゲームを実行した。

 

ここで,注意事項は2つあり,1つ目は人に迷惑をかけない罰ゲームであること。2つ目は,罰ゲーム遂行中に後ろでニマニマ笑ったり,動画の撮影をしたりしてはいけないということ。そうすると,周りの人から見ればウザい学生が騒いでいるだけと思われるし,罰ゲーム執行人も周りに仲間がいると思うと安心感を抱いてしまうからだ。したがって,実際の罰ゲームは徹底的に1人で行い,恥はすべて自分で被ることにした。ここからは,実際に行った罰ゲームを記すので,もし和歌山に行くことがあれば参考にしていただきたい。

 

 初級罰ゲーム集(嫌レベル☆~☆☆)

 

「交通安全」

 嫌レベル☆ 

手を挙げながら横断歩道を渡り,車に自分の存在を知らせる。(一見地味だが,いざ一人でやるとなると,結構嫌だ。)

 

 

 

「髪」

嫌レベル☆☆

電車で向かいの窓を鏡代わりにして髪(短髪)を整えまくる。(シンプルだが,実際やるとなると結構嫌である。)

 

「Ciao」

 嫌レベル☆☆

電車内で少女漫画雑誌「ちゃお」を熟読する罰ゲーム…....のつもりであったが,誤ってマーガレットを買ってしまった。お母さんがコロコロコミックではなくてコロコロイチバンを買ってきたときにブチギレてしまったが,今なら母の気持ちがわかる。

 

「一人プリクラ」

 嫌レベル☆☆ 

文字通り一人でプリクラを撮る。しかし,ゲームセンターが見つけられず,魚市場の無駄に500円するプリクラになってしまった。

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「闇の商談」

 嫌レベル☆☆ 

街中で電話をしているように装い,急に「え!?10億円っ!?」と言う。その後,人目を避けるように逃げる。

 

中級罰ゲーム集(嫌レベル☆☆☆)

 

「つりはいらねぇ」

 嫌レベル☆☆☆

コンビニで物を買った後に,「つりはいらねえ,そこ(募金箱)に入れておいてくれ」とクールに決めるが実際は3円とかショボイ金額であるからダサいというのを想定していた。しかし,実際は「え!?いいんですか!?」と想像以上に感謝されたので,一応失敗に終わった。募金は金額ではなく,気持ちなのだと再確認することになった。

 

「ケチャップ」

 嫌レベル☆☆☆

食事の後,口周りにケチャップが付いてしまう時がある。それは仕方がないことだが,この罰ゲームでは,人格を疑うぐらい食べるのが下手なやつになり,口周りいっぱいにケチャップをつけ買い物をする。ちなみにフェイスマスクを買った。

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「手作りクソださTシャツ」

 嫌レベル☆☆☆

「じじい フリー画像」で検索をかけ,1番最初に出てきた画像をあしらったクソださTシャツを着る。

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「トイレットペーパーマフラー」

 嫌レベル☆☆☆

浦安鉄筋家族という漫画で春巻先生がやっていた。実際実行したKKくん(通称ケーツー)は,「意外とあったかいしおしゃれ」とかなり気に入った様子であった。

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上級罰ゲーム集(嫌レベル☆☆☆☆~★★★★★)

「ジドラー」

 嫌レベル☆☆☆☆

電車,街中,いたるところで1人で自撮りをかます。通常1人では行かないトリックアート展に1人で行き,自撮りをかました KKくん(通称ケーツー)は,「辛かった」とだけ呟いて闇に消えた。KKくんの行方は誰も知らない。

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「おもむろに一句」

 嫌レベル☆☆☆☆ 

電車内で,急に何かを思いついたようにポン!と手を叩き,おもむろに短冊と筆ペンを取り出し,「白浜と 空と海と 太陽と」と一句詠む。突然の詩人の登場に車内は一時騒然となった。

 

「Siriに悩み相談」

 嫌レベル★★★★★

「Hey,Siri 最近気になっている娘がいるんだけど...」とSiriに悩み相談をする。実はちょっとウケるかな?と思っていたが,マジヤバい奴と思われて一瞥すらしてもらえなかった。見ちゃいけません,ってマンガの中でしか使われない表現だと思っていた。いろいろな意味でこれが一番辛かった。

 

見ちゃいけませんっていわれたこと,ありますか?(AC 公共広告機構) 

 

おわりに

以上が実際に我々が和歌山で実行した罰ゲームである。他にも「電車でぬいぐるみと会話する★★★★★」「100円ショップゲームガチユーザー☆☆」など倫理的な都合でボツになってしまったゲームがあるので,また機会があれば紹介したい。

 

和歌山は食べ物が美味しいし,メチャクチャ物価も安くて(2泊で5000円 朝食付き)すごくいいところだと思う。旅行が終わった後に,白浜温泉やアドベンチャーワールドなど魅力的な場所もあったということを教えてもらった。罰ゲームはトラウマ以外何も与えてくれず,時間を無駄にしただけだった。罰ゲームなんかせずに,和歌山を楽しんだ方がいいと思う。これ以上Siriで苦しむ人をSiriたくはないから。