旅に出た Part9 ラスト帯広編

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26日目(8月19日)

帯広7日目

 

この日は初バイトだった。結局なんのバイトかもイマイチ分かっていないまま、バイト先に着くと、どでかいトレーラーにとんでもない量の人参の箱を詰めてるおじさんがいた。どうやら私の仕事はこの人参の箱(1箱10kg)をひたすらトレーラーに積み込む(2600箱)らしい。

 

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(これを2600箱)

 

初日だし、この日のドライバーが凄いクセの強い人でとてもしんどかった。終わった時には腕がパンパンで、これが後4日もあるのか..と絶望だったが、ヘルメットのために頑張ろうと思った。

 

仕事が終わった後は、世界で帯広市にないと言われるばんえい競馬に行った。

 

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ばんえい競馬とは思いソリを引っ張った馬のレースで、コースは普通の競馬に比べて短いが、重いソリを背負って坂を上る馬のアツさがあるらしい

 

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初日のバイトがキツすぎたので、競馬で1発当てて、バイトをやめようとしていた。ちなみに競馬の経験はない。馬券の買い方すらしらない。

 

というわけで、初心者向けの相談所みたいなところに行き、馬券について教えてもらっていた。すると、パーソナルスペースの概念をしらないおっさんが0距離で私の前に現れた。

 

ヤバいジジイかな?と思ったが、夜焼肉に連れて行ってやると言ったので、絶対良い人だ。

 

夜迎えにきてもらうための連絡先を交換していると、同じくらいの年齢の男と目があった。なんだか見覚えのある顔だなぁと思っていたら、なんと高校の同級生だった!!

 

お互い別々のルートで旅にきていて、たまたま帯広の競馬場で巡り合ったのだ!

 

久しぶりで奇跡的な再会に涙がほろり。

 

卒業以来だったので、お互いの近況や旅について語り合った。孤独な旅だと思っていたが、奇跡的な巡り合わせで同胞と会えたのがすごく嬉しかった。でも、競馬は普通に負けた。やっぱダメだね、こういうのはまじめにコツコツ働かないと、と思ったら、その友達は3連単を当てていた。凄すぎ。

 

彼も興奮を抑えきれない様子で、20倍近くになったお金を受け取った。そして、私の境遇を踏まえて、お小遣いをくれた。

 

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めちゃくちゃ嬉しかった。

 

お金という意味じゃなくて、故郷から遠く離れた地で巡り合った友達が私を慮ってくれたことが嬉しかった。ほんとね、これ。お金はどーでもいいんだわ、やっぱ。思いやりだよね。ハートで語ろうよ。ラブアンドピース。お金なんていいよ。お金なんていいよ。お金なんて....

 

 

普通にお金助かりました!ありがとう!!!(T_T)

    

 

 

お互いの旅の無事を祈って、我々はそれぞれの旅に戻った。

 

夜は、焼肉にいこうと誘ってくれた競馬のおっさんが迎えに来てくれた。

 

焼肉という話だったので、店に行くかと思ったら、隣の家の人のバーベキューに乱入する感じらしい。(やっぱりやばいジジイだった)。いきなり押しかけたら迷惑だと思ったが、隣の家のオーナーは北海道と同じくらい広い心で迎えてくれた。

 

27日目(8月20日

帯広8日目

 

朝は人参を積みまくり、午後はジムに行った。

 

28日目(8月21日)

帯広9日目

 

朝は人参を積みまくった。午後は1袋30kgの肥料を降ろしまくった。だんだん仕事に慣れてきた。その後、先日知り合った競馬のヤバいおっさんが焼肉に行こうと誘ってくれたが、まさかの割り勘で笑った。奢ってもらう気満々で行った自分が悪いが、2160円(夜の焼肉屋で2000円しか食べないのも中々だが)の会計で「1000円でいいよ」ってドヤ顔で言われた。高校生カップルの男がちょっと多めに出して辛うじて自尊心を保つ場面かっつーの!まあ、年の差を気にせず平等に接してくれているのだなーと思うようにした。

 

 

29日目(8月22日)

帯広10日目

 

朝は人参を積んだ。午後は肥料を降ろした。あれ?同じ世界線を繰り返してる!?!?って思っちゃうほど、生活が安定してきてしまった。肥料を降ろす時に、ドライバーは無賃なのに率先して手伝ってくれた。しかも、1番汚れ仕事やきつい仕事を進んでかって出ていてカッコよかった。

 

仕事の後、地元の人にオススメされたスイートポテトを食べることにした。スイートポテトはくら寿司くらいでしか食べたことなかったが、まあせいぜい200円くらいで買えると思っていた。

すると、まさかのgの量り売りで1番小さいやつでも1000円だった。

 

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デカすぎたので半分にしてもらって残りは持ち帰った。
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1000円といえば、現在滞在しているライダーハウス2日分の家賃に相当する。普通は1泊1000円なのだが、通称7.5号室(7号室と8号室の間の押入れ)なら500円でいいと言われたので、バイトが始まってからは節約のために押入れで寝ていたのだ。

 

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(ここで寝ていた。寝返りは打てないので、いつも腕の痺れで目が覚めていた。)

 

スイートポテトは芋の皮がそのまま使われていて、家賃2日分も伊達じゃないくらい美味かった。

 

30日目(8月23日)

帯広11日目

 

朝は人参を積んだ。午後は肥料を降ろした。あれ?同じ世界線を繰り返してる!?!?という日々もついに最終日となった。一緒に人参を積むドライバーは日替わりなのだが、最終日のドライバーは1番若くて、イケメンで、速かった。私も5日目でかなり慣れてきていたので、頑張って積みまくっていたら、いつもより30分も早く終わった。さらに、イケメンドライバーはこれで飲み物でも買って、と2000円もくれた。心までイケメンで涙。

 

その飲み物代はすぐに、ラーメンというソフトドリンクに返させていただきました。

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午後も肥料を降ろしまくって、5日間のバイト生活がついに終わった!給料を手渡しでもらったので、帯広最終日は贅沢の限りを尽くしてやろうと思っていた。

 

宿に帰ると、同じ年の男の子が2人いて、一緒にご飯に行った。2人は友達同士で名物のジンギスカンを食べるつもりだったらしいが、得意のKYゴネり作戦により、自分が食べたかったラムしゃぶにした。

 

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最初はラム肉だけコースだときっと飽きると思って、300円課金して豚肉も食べられるコースにしたが、ラム肉が想像以上に美味しくて、結局豚肉は1ラウンドだけ食べて、あとはひたすらラム肉を食べまくっていた。

 

2人の友達同士のところに乱入した形であったが、2人は優しく迎えてくれた。明日は同じ方向に行くつもりだったので、途中まで一緒に行くことにした。

 

11日間もいた帯広はついに終わった。働いて、ジムに行って、飯を食って、と完全に生活パターンを掴んでしまっていた。それはそれで楽しかったが、私は旅をしにきたのだ!帯広編はこれでおしまい!明日からはまた旅をしよう。

 

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