旅に出た Part16 大分県編

52日目(9月14日)

 

高知県の友達の家を早朝に出て、愛媛県のフェリーターミナルを目指した。

 

休憩も殆どないままひたすら愛媛を横断し、フェリーターミナルにたどり着いた。

 

その日のキャンプ予定地の受付時間が結構カッチンだったので、爆走して山奥にあるキャンプ地を目指した。

 

そこで、異様な光景を目撃した。

 

キャンプサイトには溢れんばかりのテントと人がいたのだ。

 

長い旅をしていて忘れていたが、この日は三連休の初日だった。今までの旅で、混みすぎてテントを張る場所がないという経験が無かったので狼狽した。

 

湖の周りの一等地は早乗りしてた陽キャファミリー達に占領されていた。すこし奥まった芝生はというと、オシャレなテントなんか持った陽キャカップルたちに占領されていた。文字通り足の踏み場も無いほど混んでいたので、奥の奥、地面に石が散見される最悪の立地に1人テントを張った。

 

結構遅めに着いてしまったので、ここから夜ご飯を調達するために街に降りると、山奥のキャンプ場に帰ってくるころには夜遅くになってしまい、大変危険だ。

 

仕方がないので、この日は暗いテントの中で持参していたプロテインを水で割って飲むことにした。

 

湖畔からは、陽キャファミリーが肉を焼いてる楽しそうな音が聞こえる。

 

その音を聞きながら、暗闇でプロテインをシェイクした。

 

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シャカ..シャカ...シャカ...

 

聞こえるかい?このリズム

 

これがロックンロールだ。

 

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53日目(9月15日) 

 

空腹で目が覚め、誰よりも早くキャンプ場を出た。

 

この日は湯布院にあるよく当たると言われる占い屋さんに行った。

 

普段占いなどは、あまり信じる方ではないが、あまりにもよく当たるという話を聞いたので、3時間半待って占いをしてもらった。

 

将来、特に職業についてどうするべきか聞いた

 

占い師の人は非常に良い人で、時間も延長して色々話してくれた。

 

しかし、私のリスニング力の無さが仇となり肝心な部分が聞き取れない場面があった。悔しすぎた。もっとリスニングの勉強をしておくべきだった...!

 

占いが終わって、少し悲しみに暮れながら帰ろうとしたらわざわざ駐車場まで来てまた語ってくれた。めちゃくちゃ混んでいるのに時間外サービスまでしてくれるめちゃくちゃ良い人である。

 

 

 

しかし、それもリスニングできなかった。

 

 

 

え、何?今絶対感動する場面だったじゃん。絶対いいこと言ってたじゃん。聞こえなかったーー!!

 

 

多分その人がめちゃくちゃに滑舌が悪いとかではなく、マジのガチに自分のリスニング力が足りなかった。

 

運命は自分で切り開くしかないのかっ...!?!?

 

 

その後、たまたま大分の美術館で大好きな仮面ライダーの展示会があったので駆けつけた。

 

 

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三連休中日だけあって、沢山の子どもで溢れかえっていた。

 

そんな中真剣な眼差しで1つ1つの展示を見て、詠嘆の声を漏らす22歳男性、現在無職。

 

その後、北海道で出会ったおっさんライダーと合流して、この旅はじめての宿に泊まった。宿といっても、一泊5000円の安宿だが、久しぶりに清潔なシーツに包まれたフカフカの布団に潜ると、頰に一筋の光が伝わってしまった。

 

これから将来、大きくなって働き始めると、価値観も変わってしまうかもしれない。今信じているものや大事だと思っているものも消えてしまうかもしれない。しかし、この布団がもたらす絶対的温もりと安心感のような、飾らない素朴な幸せはきっと変わらないだろう。そしてそれが何よりも幸せなのだろう。自分を大きく見せて、あれもこれもと欲深く生きるのではなく、もっとシンプルに生きてみたい。そんな簡単な事実に今さら気がついた。

 

 

野比のび太君は4年生でとっくに気がついていたというのに。

 

 

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54日目(9月16日)

 

バイクは停めて、おっさんライダーが持参した車で別府観光をした。おっさんライダーは私に1円も使わせずに、とことん私が楽しめるようにとあれこれ尽くしてくれた。

 

別府といえば温泉ということで、温泉巡りをした。

 

初めから混浴露天風呂に連れて行ってくれることになった。

 

私はゴミが目についたので、毎日やっているように拾ってゴミ箱にきちんと捨てた。

 

さらに、重そうな荷物をもっているおばあちゃんがいたので、毎日やっているように、助けてあげた。

 

こうしてカルマゲージが上がっていくのを感じ、満を持して混浴露天風呂に行った。

 

 

 

だーーれもいなかったとヨォ。

 

 

 

もう1件ダメ元で行った。

 

 

やっぱり、だーーれもいなかったとヨォ

 

 

 

ちなみにジジィはメチャクチャいた。こういう水辺でじっとハプニングスケベを待つジジィを「ワニ」と呼ぶらしい。絶対こうはなりたくないと思い、ワニ達を横目に見つつ、私は露天風呂に入った。

 

 

 

 

 

40年後......

 

 

 

 

ター君「わーい!お外のお風呂だー!広ーい!」

 

パパ「こらこら、そんなにはしゃいだら迷惑だよ」

 

ター君「てへへ、ごめんなさいパパ。あ、ママも同じお風呂なんだ!おーい!ママ!」

 

ママ「あら、ター君楽しそうね。ウフフ」

 

パパ「ああ、こうして家族みんなで同じ風呂に入れることは幸せだよなぁ。混浴露天風呂の本来の目的とはこういうことだよなぁ...」

 

ママ「あら?本来って他の目的もあるみたいな言い方じゃない...?(ニヤリ)」

 

パパ「ギ、ギクゥ!そ、それは大昔の話で...」

 

ママ「詳しく聞かせてもらおうかしら〜??」

 

パパ「ヒィーご勘弁!!」

 

ター君「ワハハ!パパへんなのー!」

 

ブクブク....

 

パパ「ん?なんだこの気泡は...?」

 

 

ザバァ!!!

 

 

ママ「キイャアアアアアアアアア!!!!!!」

パパ「!?!?!?!?!?」

ター君「うわぁあああああ!!!!」

 

 

ター君「な、な、なに、これぇえ!?!?」

 

ママ「ター君離れて!!!」ザパァ!

 

パパ「こ、これは...水死体...?」

 

ママ「そ、そんな...?殺されてるの...??」

 

パパ「いや、違う...死亡したのは40年前だ..死因は...餓死...??」

 

ママ「え、じ、じゃあ...?」

 

パパ「ああ...間違いない。こいつは女の裸をひたすら待って餓死して死んだ、ワニだ...」

 

ター君「パパ!その人の腕に爪でなんか書いてあるよ!!」

 

 

 

 

 

 

だーーれもいなかったとヨォ