初の禁煙2日目となった。
何もしてないと自然とたばこの箱に手が伸びてしまいそうなので,映画を見まくることにした。
まず,見たのはインターステラー
2時間40分という長尺なので,今までスルーしていたが,禁煙の今は長ければ長いほど良い。
簡単なストーリーとしては,人類滅亡が秒読みの世界で,人類の移住先を見つけるために宇宙へ飛び立った父親が織りなす時空を超越した愛の物語である。
五次元空間の表現美,高度な文明とクラシック音楽のコントラスト,など様々な良いポイントがあったが,何よりも人間のアツさが心を打った。ノーラン監督の作る映画は難解と言われるが,誰よりも人の愛や熱を表現することに長けた素晴らしい監督だと思う。
映画は素晴らしい。作品に没入する中で「タバコ」という概念は一切浮かばなかった。この調子で次の映画を見ることにした。
次に見たのはパルプフィクション
あ・・・・
タバコフィクションは,キルビルやフロムダスクティルドーンなどで有名な,クワエティ・タバコティーノ監督による遊び心満載なオムニバス形式のストーリーだ。コーヒーショップの強盗カップル(喫煙者),マフィア(喫煙者),八百長ボクサー(喫煙者),のそれぞれの話が時系列バラバラに語られるが,最後には一本のストーリーとなるという構成の妙ともいえる超傑作だ。
DVDを買ってしまうほど,この映画は好きなのだが,「タバコ」がメチャクチャ出てくる。気が付くとココアシガレットに火を点けているほど「タバコ」との親和性が高すぎるのだ。
人間は色の情報によって快楽物質を放出するという話を聞いたことがある。つまり,カラー映画内で見られるカラフルなタバコの箱や赤い火を見るから吸いたくなるのであって,白黒ならそれは起こらないはずなのである。
そこで,次にみたのは白黒超クラシック映画,ゲームの規則
ストーリーは,第二次世界大戦前夜のフランス,
(シュボ!)
ブルジョワの社交界に,大西洋横断を達成した飛行士が招待される。飛行士はある女のために偉業を達成したというが,それはブルジョワの奥様であった。
(プカー)
既婚の奥様と不倫関係にあった飛行士。一方,その奥様の旦那である,ブルジョワ旦那も妻帯者でありながら別の女と不倫をしていたのだ。
(プカプカ)
奥様に仕える使用人も,飛行士の友人も,登場人物ほぼ全員不倫をしているという,人間関係を線で表したら焼きそばみたいになっちゃうカオスなブルジョワ界。戦争を前にしても,不倫やパーティーなど目の前の快楽だけを追う様子を皮肉っている。
(ふい~~)
ちょっとたばこ吸い過ぎじゃない??
この時代の人間は,文字通り息をするかのようにたばこを吸っている。寝室でも,キッチンでも,山の中でも・・・
白黒とはいえ,これほど目の前で吸われると気が気ではない。ココアシガレットに火を点けることでなんとかこらえようとするが,限界は近い・・・映画なんて見なければよかった・・・・
そんな時,外から父が呼んでいる声がした。どうやら水を箱買いしたが重いので運んでほしいとのことだった。こういう悶々としたときは,場所を変えるのが一番。喜んで手伝った。
重い箱を2つ運んだ。体を動かすと気分がリフレッシュされて良い。すっかり気分を入れ替え,自分の部屋に戻ろうとすると,父が「手伝ってくれてありがとう」といってプレゼントをくれた。
たばこを。
ふざけんなよ!!!禁煙したって言ったでしょ?!?ビーガンにビックマックあげるようなものですよ?!しかも,これいつも吸ってるやつじゃないし(いつもはライト)
ふざけんなよ!!とブチギレて握りつぶした。初めて父親の胸ぐらもつかんだ。俺は本気なんだよ!と怒りを込めて叫んだ
・・りしたら,悲しむだろうなと思ったので「ありがとう」といってもらった。別に欲しかったわけじゃない。断れば悲しむと思ったからネ。まじまじ。全然吸いたいと思ってないから。まじまじ。でも,目の前にあるとダメだわ。吸いたくないけど吸いたくなっちゃうもん。とりあえず,ベランダに隠しに行こうかな。
こうして,ベランダにある室外機の横に隠すことにした。どこがいいかな・・・あ!!ここがいい!!
あ・・・・