注:この記事には特定の意見やオチはなく,最終的に「何が言いたい?」となることを先に断っておく。
古語には,「もののあはれ」というアイデアがある。これは,何かを見た時に「何かいいなぁ..しみじみ...」と思う感覚である。上手く言葉に表せない,いやむしろ,言葉に表すべきではない哀愁や雅な感情を表現する美しい日本語表現だと思う。今回は私がこれまでに見つけた「あはれ」なものを見てしみじみしたいと思う。
No1 ゲシュタルト便所
まずはあはれの本場、日本からのエントリー。
この画像、女性の方には分かり辛いかもしれないが、男性なら何となく不気味な気持ち悪さを感じるだろう。まず、部屋が狭いので、トイレの間隔も異常に狭い。その上、間に仕切りが無い。まるで,我々には排尿という行為の権利以外,一切の権利が与えられていないような閉塞感を与える。一方で,、芳香剤は便器に1つずつある(過剰)。
排尿という行為を機械的に捉える一方で、匂いには気を配るというアンビバレンスを見事に表現しており,触ったら崩れてしまいそうな繊細な美しさを感じる。そう,これこそが,あはれなのである。
No2 イタリア人のイタリア料理
続いては,アメリカに到着して間もなくのこと。イタリア人の友達が,スパゲッティーを振る舞ってくれると言ってくれた。正直,それを聞いたときは,テンションは爆上がりした。本場の人が作るスパゲッティーは絶対に美味いと期待して,彼の部屋に赴いた。ワクワクしながら待っていると,目の前に料理が出された...............
まさかの素パスタ,具なし。いや,ごちそうになってる身なので,勿論文句は言えまい。イタリア人だからすごいパスタを作ってくると勝手に期待してしまっただけである。考えてみれば自分自身も他の国の友達に日本料理を振る舞おうと思った時,忍者の服を着ながら寿司を握り,余興でハラキリをしたりはしないはずだ。同様に,イタリア人だからって超絶スパゲッティーが出てくると期待するのは無礼を通り越して,もはやレイシズムである。そう,これこそがあはれなのである。
No3 ガチあはれ
メキシコに行ったときに撮った写真。
写真なのに,絵に見えるからすごいと思った。あはれ。
No4 現代アート
フロリダに旅行に行った時の写真。
キレイな常夏の景色に現代的な電光掲示板というコントラスト。さらに,その電光掲示板がバグってるという追加要素。例えるならば,メチャクチャ怖そうなヤンキーのお兄さんが,かわいいおジャ魔女どれみのスマホケース持ってて,ちょっとホンワカと思いきや,そのスマホケースは東南アジアのお土産屋さんで買ったパチモンだったという感覚?これは,あはれ。
No5 つくってあそぼ
最後はアメリカの道中で感じたあはれ。
ゴロリ「ん??何これぇ?!こんなの,ショッピングカートが道の上にあるだけじゃない。こんなの,陳腐なコントラストでシュールレアリスムを表現したと思っちゃう,イキり大学生の卒業作品じゃない」
わくわくさん「でもね,ゴロリ,このカートの所属先であるウォルマートが1km先だとしたら?」
ゴロリ「ん"!? 」
わくわくさん「誰がこんな雪の多い道を1kmもカートを引きずって,しかも家の真ん前とかじゃなくて中途半端なところで乗り捨てたんだろうね......」
ゴロリ「じゃあ・・・・あはれだね」
第2弾に続く・・・