はじめに
仮面ライダークウガペガサスフォームは,並外れた聴力と視力があり,どんな遠くの相手だろうと一撃で仕留めることができる。しかし,あまりにも感覚が研ぎ澄まされているので,50秒までしか変身できず,それを過ぎると一番弱いグローイングフォームに強制的に戻ってしまう。
かっこよすぎんか
私はこうのような一時的に力を極限まで高めるが,その後反動で弱くなってしまう設定が大好きである。そして,そう,今回私が叶えたい夢は,仮面ライダークウガペガサスフォームになることである。
仮面ライダーになることは保育園からの夢で,高校でも本気でなりたいと思っていた。スタントマンとか,制作会社とかそういう意味ではなく,マジの仮面ライダーに。しかし,どれほどIndeedやタウンワークを探しても,仮面ライダー系の職はなかった。おかしいと思い,お母さんに聞いてみたところ,仮面ライダーはフィクション(架空という意味)とのことだった。私は人生で初めて絶望というものを味わった。今まで信じていたものが一瞬にして消えた瞬間だった。私は全てがどうでも良くなり,マクドナルドでやけ食いをすることにした。
セクスタプルチーズバーガーとは
セクスタプルとは,「シングル(1),ダブル(2),トリプル(3).....」と数えた時の,6に当たる数のことだ。つまり,セクスタプルチーズバーガーとは,6つのチーズとお肉があるバーガーのことである。私は夢を絶たれた悲しみを紛らわすために,このバカ肉バーガーを貪り食うことにした。とは言うものの,さすがのアメリカでもセクスタプルチーズバーガーまでは置いて無かったので,
ダブルチーズバーガーを3つ買い,それを合成すれば....
セクスタプルチーズバーガーの完成だ!!
なんとバカそうなフォルムだろうか。まるでバカという概念を食べ物で表現したアートだ。金持ちの家で飼われているトカゲの方がこれより良いものを食べていそうである。しかし,今はそんなことはどうでも良いのだ!これは,若者の夢を台無しにしたこの世の中への宣戦布告だぜ!革命っ☆万歳っ!!
「それではいただきまーす」
はにゃ!?!?!?!?!
「なんだこれはぁぁ!?!?!?」
一口かじれば,そこは海。肉の海が広がっていた。そしてそこを颯爽と横切るチーズは春の爽やかさと秋の切なさを感じさせた。そして,言葉で形容できない快楽が,雪崩のように私を襲った・・・・うまっ・・・はふっ・・・・はぅ・・・ぐっ・・・はふっ・・・あぁ・・・・
それから,意識はなくなりゾーンに入ってしまった。君はマクドナルドでハイになったこと,あるかい・・・・?
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しばらくして,けだるさと少しの頭痛と共に意識を取り戻した。ボディブローのように襲ってきた快感は,まだ私の中でこだましているようだった。私が食べていたものは果たして現実のものだったのだろうか。にわかには信じがたいが,快楽の余韻と目の前のダブルチーズバーガーの包み紙を見る限り,どうやら現実のようであった。私はつい今までとんでもない快楽を食べていたのだと少し恐ろしくなった。そして,破壊力抜群のセクスタプルチーズバーガーを食べた後は,使われなかったパン部分を食べなければならなかった。
はぁ,先ほどの快楽と比べると,パンだけと言うのは味気ないな・・・。先ほどのバカバーガーの攻撃力が高かった分,その後のパワーの無さが際立つな・・・
ん??強力なフォームのあとに,その反動で弱くなっている・・?
強力なフォームの後に・・・・
弱体化してしまう・・・・
強力なフォームの後に・・・・
弱体化してしまう・・・・
強力なフォームの後に・・・
弱体化してしまう・・・・
俺は仮面ライダークウガなのか!?!?
そう,この瞬間,私は確かに仮面ライダークウガだったのだ!強力なバーガーの影響でパンだけを食べなければならなくなった私は確かに仮面ライダーだったのだ!!私は諦めかけていた夢が思わぬ形で叶ったことで有頂天になった!!やったよお母さん!!俺,ついに就職先決まったよ!!スーツ着て就活するようなロボットになんかならないぞぉ(麦わら帽子カブリー)!!
就職がんばれっ・・・!