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はじめに
毎回下品な話題で申し訳ないが、私のGERO史を語る上で欠かせないエピソードなので,ご了承いただきたい。
さて、今回のGEROエピソードを端的にまとめると「飲み物の飲み過ぎで吐いた」に尽きるだろう。おいおい、イキリ大学生が酒飲み過ぎて吐いただけのアオハル☆サイコゥ!エピソードかよと思って閉じるのは待っていただきたい。私が飲み過ぎで吐いた飲み物はお酒ではないのだ。それは、「1日分の鉄分が取れるプルーンヨーグルト」だったのだ。これを飲みまくってしまった経緯についてお話ししたい。
しりとりリレー
話は2年前の夏に遡る。私は大都会名古屋よりも京都で遊ぶことが多く,地元ではないことをいいことに京都で様々な遊びをキメていた。そのうちの1つで,しりとりリレーという遊びがあった。
しりとりリレーのルールは以下の通りである。
1.街中を歩き,しりとりの要領で店を回る(例,マクドナルド→ドミノピザ)
2.その店で商品やサービスを受けなければならない
3.「ん」がつくまで続ける
私は,高校の友人KK(通称ケーツー)と中学の友人U沢くんの2人を無理やり招集した。ちなみに,私はこの2人とそれぞれ友達だったが,2人は初対面同士だった。それでも招集した。
なんやかんや来てくれるあたり私は良い友人を持ったものである。軽く自己紹介を済ませた後,目に入った「眼鏡市場(めがねいちば)」からスタートすることにした。しかし,メガネを買う余裕は無かったので,最初だけは買わなくても良いという無茶苦茶ルールを適応した。特例を作って逃げる哀れな習性である。昔の中国の偉いお坊さんが言った通り,しりとりリレーでは人間性が如実に現れる(尻取競争鏡人間性)。将来のパートナーを決めかねている人は一度しりとりリレーに誘ってみてその人の本性を見てみることをお勧めする。
さて,「眼鏡市場」の「バ」から始まる店を探して歩き回ったが中々見つからなかった。何だか疲れてきたので,濁音・半濁音は無視という無茶苦茶ルールを適応した。昔の中国の偉いおb(以下略)。この特例のおかげで「ハーバーカフェ」というカフェを見つけられた。ここではコーヒーを注文した。
「ハーバーカフェ」の「エ」から始まる店は「エンターテインメントOMEGAパチンコ&スロット」だった。
本来なら,この店で提供されているサービス(パチンコ)をするべきだが,軍資金が足りなかったので中にある自販機で牛乳を買った。
「エンターテインメントOMEGAパチンコ&スロット」の「ト」から「TOKAI」というチケット屋さんですかいらーくの優待券を買い,
「TOKAI」の「イ」から「泉」というラーメン屋で順調に昼食まで取れた。
この道中で「ふぁみり~」という名前の駄菓子屋さんを見つけた。無類の駄菓子屋好きとして有名な私は,この駄菓子屋にどうしても行きたかった。「泉」の「ミ」からは始まって,「ふぁみり~」に行くための「フ(ブ・プ)」で終わる店は無いだろうか。そんなことを願いながら歩いていると稲妻が落ちた。
「ミニストップ」それはまさしく我々が求めていた物であった。手早く黒ウーロン茶を買った我々は元来た道を駆け戻り,駄菓子屋「ふぁみり~」へと急いだ。運命は我々に味方しているっ!!
ちなみに,駄菓子屋では,サイコロバーストゲームをやることにした。
ルールは,
1.買う駄菓子を決める
2.20面サイコロを振り,でた個数分だけ買って食べる
というシンプルなものである。私は久しぶりに駄菓子をドカ食いできると胸を小躍りさせていた。
しかし,駄菓子屋「ふぁみり~」はまさかの休業だった
これは大いに我々を落胆させた。そして,当時の我々には知る由が無かった。この休業が今回のGERO事件を引き起こすということをっ・・!!
GERO
しかたがないので,「ミニストップ」の「プ(フ・ブ)」から始まる店としてスーパーマーケットの「FRESCO」に行くことにした。
他の店と同じように,何か1品を買って終われば良かったのだが,駄菓子屋でやりたかったサイコロバーストゲームが尾を引いていたので,代わりにここでやることにした。少しルールを変えて1つの商品の中に含まれる個数に注目することにした。
1.単位を「個数」と「パック」に分ける(例.3個入りのプリンは,1パックで3個)
2.サイコロの出た目の中に「個数」が何セットあるか計算する
3.余りは「パック」として計上する
4.セットと「パック」の合計分を購入する。
(例えば,サイコロの目が11だったら,11は3個が3セットと余りが2(11=3x3+2)なので,合計5パックのプリンを購入する)
私は1パック5本入りの1日分の鉄分が取れるプルーンヨーグルトを,
KK(通称ケーツー)は1パック4個入りの棒つきアポロを,
そして,U沢くんは我々の忠告をガン無視して,1パック12個入りの「たのしいよこぶえ」を選んだ。
12個入りは最大11パック買わないといけないリスクがあるので避けるべきだが,彼は聞く耳を持たず強行突破した。
サイコロを振った結果,私は出目が16(5x3+1)なので4パック,KKは8(4x2)で2パック,そして,U沢くんは7だったので7パック買った。
U沢くんはたのしいふえの唯一の持ち味であるフエ要素をガン無視して,おまけのラムネを最も効率よく食べることだけを考えていた。
一方,私は3人の中で唯一の飲料ということで少し調子に乗っていた。「合計20本だもんで,20日分の鉄分だがや!」と得意の名古屋弁でまくし立て,最も効率の良い方法で飲んだ。
最初こそ1日分の鉄分を飲みまくるという特別な体験を楽しんでいたが,12日目あたりからだんだんと気分が悪くなってきた。何事も過剰摂取は良くないのである。しかし,買ってしまった手前残すことが出来ず,飲み切るほかなかった。飲んだ後に立ち上がると,クラクラした。これは貧血か?否っ,鉄分は十分すぎるほど摂取したはずだ。まぁ,歩けば直るだろうと思い,千鳥足で「フレスコ」の「コ」から始まる店を探した。
この日はひどく暑かったことを記憶している。10分ほど「コ」から始まる店を探したが,なかなか見つからなかった。炎天下の中歩きまわったのも相まって私の体調はすこぶる悪くなっていった。私は2人の歩くスピードについていけなくなり少し遅れてフラフラと前に進んでいた。
ちなみにこの日は大学生にとっては夏休みだが,普通の平日だった。平日の昼間から大の大人が看板をキョロキョロ見渡しながら町を徘徊していれば少し奇妙に映るだろうか。ある八百屋の前を通りがかった時に,素人のおばちゃんが話しかけてきた。
おばちゃん「こんにちは~あついね~」
KK 「あついっすね~」
おばちゃん「大学生?」
U沢くん「そうです,今夏休み..
オレ「おぇぇぇぇぇぇぇえぇええええ!!」
一同「!!!!!!!!」
おばちゃん「...そ,そう...暑いから気をつけてね...」
KK「...は,はい..ありがとうございます。」
私は彼らとは少し離れていたので,おばちゃんから見ると友人同士には見えなかったのだろうか。年頃の男が平日の昼間から道端で吐いている奇妙な場面を目撃したはずなのに,何事も無かったかのように振る舞っていた。こういう時,人間は優れた役者になれる。
そして,吐いたことにより私のお気に入りのコンバースがGEROで汚れてしまった。少々心苦しかったが,コインランドリーで洗わせてもらうことにした。しかし,中に入ってびっくりした。コインランドリー童貞だった私は100円くらいだろうとたかをくくっていたが,なんと500円もしたのだ。極貧スラム出身の自分は怖気づいてしまった。洗うだけで,500円?・・だと!?すると,隣の洗濯機を使用していた素人のおばちゃんが話しかけてきた。
おばちゃん「若い人がこんな時間にどーしたの~?」
オレ「ア,イマ夏休みッス..」
おばちゃん「あら?あんた顔色悪いわね!?暑いときは首冷やさなかんよ~?あんたタオルもっとんの?」
オレ「イヤ,ナイッス...」
おばちゃん「じゃあ,おばちゃんのタオルあげるわ!今,洗ったばかりだから心配せんでいいわ~」
そういって,おばちゃんはおもむろに洗濯機から青いタオルを取り出し,手渡してくれた。
人のつながりが薄れたと言われる現代社会。そんな中でも人の気持ちを慮り,慈愛の精神で利他的行動ができる人もいるのだ。その優しさに涙がほろり。おばちゃんがくれたタオルはあたたかかった。乾燥機に入っていたからではない。
清々しい思いで店を出て振り返ると驚愕した。
コインランドリー清潔一番・・・
「フレスコ」の「コ」から始まり,ちょうど「ン」で終わっているではないか!!!
駄菓子屋「ふぁみり~」が閉まっていた時は,運命は味方してくれないと思ったが,「フレスコ」で吐いてコインランドリー清潔一番に来るための布石だったのだ。
今回のしりとりリレーでは,人の優しさに触れることができた。全く知らない人だっとしても見返りを求めず助ける。自分もいつかあのおばちゃんくらい優しい人になりたい。そう決意して,新たな一歩を踏み出した。
GEROまみれのコンバースで。