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31日目(8月24日)
昨日会った2人の子たちとまず朝飯を食べることにした。近くに市場があったので、そこで攻めのいくら丼と上握り3貫を食べた。
美味すぎたので、オススメ3貫も食べた
はじめて生の鯖を食べたが、美味すぎて泣いた。正直いくらより美味しかったかもしれない。
そして2人と足寄まで一緒に行った。2人とはまだ出会って24時間もたっていなかったが、別れる頃にはもう寂しかった。しかし、これも旅の運命。出会って、別れるのが旅の醍醐味なのだと言い聞かせ、2人とは別れた。
帯広の生活では、基本的に誰かと一緒にいたので、この時に久しぶりに1人になった。改めて一人旅をしているのだと認識した。
この日は旅立ちの日にふさわしく、最高の天気だった。これは絶対に雨が降らないだろうなー!絶対降るわけがないわ!
帯広からの道には、オンネトー、阿寒湖など、有名な湖があり、それらに一瞬寄った。天気も良く、絶対雨が降らないような天気だなぁと思った。
そして、この日はバイト先の上司の人にオススメされた多和平というところに行った。
多和平という漢字からも想像できる通り、全くの平で地平線が見えた。
いやー地平線が綺麗だなー
あれ?雲の様子がおかしいぞ??
まあ、今まで晴れてたから大丈夫っしょ!と言い聞かせて、テントを張り、荷物を降ろし、手ぶらで遊びに行ってしまった。カッパやレインズボンなど持たずに...
(牛さんのすぐ隣で寝た)
そして、手ぶらの私は摩周湖、通称「霧の摩周湖」を見にきた。霧の摩周湖と言われる所以は、気象条件により摩周湖が霧に覆われていることが多いためである。逆に霧のない綺麗な摩周湖を見てしまうと、婚期や出世を逃すという迷信もある。私の場合はというと、ついた瞬間
このような厚い霧に覆われ...え?霧??
あ、あ、雨雲ダァァ!?!?!?
誇張ではなく、摩周湖についた瞬間にめちゃくちゃな雨が降ってきた。
霧どころか笑えるくらいの大雨だったので、私は100000万人と結婚しながら、社長に10000回なれる出世コースが約束されたのである!やった!
ズタズタの雨と寒さで震えながら無心で走行した。エンドレスアイスバケツチャレンジのようである。今回は本当に死にそうだったが、なんとか生きて帰ってこれた。この段階になると、生きて帰ってこれたことが何よりも嬉しかった。このような生活をしていると、最低限の幸せで満ち足りてくる。これ以上は何も求めません。生きているだけで満足です。あ、やっぱカレーはもらってもいいですか?
死にそうな雨の後のカレーは死ぬほどうまかった。店のババア(かわいい)は勝手に大盛りにしてくれた(涙)。長生きしてくれ(涙)。
カレーを食べたら、満腹感と安心感で眠くなってきてしまった。多分午後6時くらいには眠ってしまった。そして夜中の12時に目が覚めた。おしっこがしたかったのである。トイレに行くためにテントから出ると、言葉を失った。
そこには、一面の闇に散りばめられた星たちがあった。
その圧倒的美しさは言葉で描写することはできなかった。
しばらく見とれて、おしっこは漏らした。
そして朝、
朝日が眩しかった。昨日の雨が嘘のようである。
昨日は雨のせいで、心が挫かれたが、星空とこの太陽を見て、また前に進む勇気をもらえた。
32日目(8月25日)
朝は多和平と並ぶもう一つの地平線が見える場所である「開陽台」に行った。
開陽台自体は、そんなに大したことなかったが、その後の「ミルクロード」という道は、晴れているのも相まってめちゃくちゃドーパミンが出た。
(ミルクロード)
その後昨日の雨で靴やズボンが死んだので、コインランドリーに行くことにした。
コインランドリーで服を洗濯乾燥させるのは時間とお金の無駄だと思っていたので、めちゃくちゃめんどくさかった。雨なんてなくなればいいのになんてことさえ思っていた。
乾燥機を待っている間、ババア(かわいい)が絡んできてくれた。ババア(優しい)が激励としてコーラをくれた
めちゃくちゃ嬉しかった。雨も悪くないと思った。
その後、知床を目指した。
知床峠は霧が強すぎてまた死にそうになった。
命からがら峠を抜けたので、生きてることを実感するために贅沢をすることにした。
海鮮丼の店が見えたので、そこに行くことにした。
バイクを停めて、店に向かっていると、2人組みのライダーが走ってくるのが見えた。なんとなく見覚えがあるなぁ、と思って通過していくのを見守ったら、後ろ姿が完全に昨日途中で別れた2人だった。
すぐにラインをして確認したところ案の定、昨日の2人だった。北海道は広くて狭い。
飯の後合流することにした。
飯は海鮮丼を食べた。
2人が帰ってくるまでの間、店で待たせてもらうことにした。ババア(かわいい)はチョコパイをくれてもてなしてくれた。
そして、1日ぶりに2人と再開した。
そしてまた、すぐ別れた。
もう会えないだろうと思ったが、これも旅の...(以下略)
その後、天に続く道というところで、写真を撮っていたら知らない社長に名刺をもらった。
その後、キャンプ場でテント泊をした。
そこでは社会人2人組みの人たちと仲良くなった。2人は学生からの友達らしく、絶妙なコンビネーションとギャグセンスが素晴らしかった。久しぶりに人のギャグセンスに嫉妬するくらい、面白い人たちだった。
また、ご飯も奢ってくれて涙がほろり。
33日目(8月26日)
網走に行って、網走監獄を見た。
そして、私の趣味の1つである地元密着型のレトロ中華料理屋巡りをしようとしたら、そこがまさかのその日だけ臨時休業だった。私が行った時だけ、やってないことが本当に多い(過去記事を参照されたし)
仕方がないので、近くにあった店でミートライスを食べて、
そして隣の店でジェラートを食べた。
この店はなんかの世界大会で1位になったということを他のライダーに教えてもらったのでわざわざ来たのだ。
世界一になったと言われる凪(抹茶風味)のジェラートと他2種をいただいた。凪ももちろん美味しかったが、個人的にはピスタチオが1番好きだった。凪はプラス150円かかる。
その後、今日のキャンプ地を目指して爆走していたら「ほたてパイ」という文字が私を引き止めた。
なんとなく入ってみると、店のババア(めちゃくちゃかわいい)が愛想よく迎えてくれた。
ほたてパイはその名の通り、ほたてがパイの中に入っているのだが、甘ジョッパイ味で普通に美味しかった。
そして今日のキャンプ地である紋別という街についた。
(オホーツク海が見える)
そこは一応無料のキャンプ場だったのが、水道管理費で400円のご協力金を呼びかけているようなところだった。普段なら払う。冗談じゃなくて、本当に払う。しかし、次の日の早朝に出るつもりだったので、今日は本当に寝るだけのつもりだった。従って、水道を一切使わなければお金は払わなくてもいい?と自分に言い聞かせて、お金は払わなかった。実際、本当に水道を使わずささっと寝るつもりだった。
風呂に入りに行って、近くの店でご飯を食べた。
そこでは、ふぐ丼、ほっけを食べたが、どちらもボリュームたっぷりながらめちゃくちゃ安かった。
大満足で帰り、7時過ぎには寝た。
夜中に目が覚めてしまった。
おしっこがしたかったのである。
しかし、おしっこをするということは水道を使うということである。
先程は、水道を使わない代わりにお金を払わないと言った。しかし、どーーーーしてもおしっこがしたい。
まあ、1回流すくらいの水道ならいいだろうと思い、多少罪悪感を感じたが、トイレを使わせてもらうことにした。
すると、トイレの中で立っている男の人がいた。
個室が埋まっているから待っているのかな?と思ったが、こんな夜中に個室が埋まることなんてあるか?とも思った。
不審に思いながら入ると、
「あ、すみません只今水道工事中でトイレ使えないんですよー」
と言われて、差し出されたチラシには
8月27日の深夜1時から1時間だけ、トイレが使えないと書いてあった。
逆にこんなことある?
本当にお天道様は見ているのだなと思った。
これからは、尤もらしい言葉を並べる前に、払うべきところはしっかり払おう、そう思った深夜1時であった。おしっこは漏らした。
次の日のオホーツクの朝日は素晴らしかった。
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