【お悩み相談】恋愛がうまくいきません

f:id:yaitaonigiri:20200223214952p:plain

前略 こんにちは。突然のお便り失礼いたします。私は異性との交際が上手くいかないので非常に悩んでおります。女性と話すこと自体はそれほど苦手ではないのですが,いざ交際となるととたんに全てが嫌になってしまうのです。というのも,私は交際相手が,親友や親よりも近い存在になると思っているので,少しでも嫌なところを見つけてしまうと,すぐに自分の最近(サイチカ)王に値しないなと思ってしまうのです。こんな性格だから交際経験がとても乏しいです。もうすぐ干支が2周するというのに,結構モテる小6男子(12歳)に負けてしまいそうで怖いです。どうすればいいでしょうか。 

愛知県22歳/やらせたかし 

 

 

 

お便りありがとうございます。

やらせさんのお便りを拝見して,率直な感想としては「めっちゃ自分のことが好きなんやろうな~」ということでした。

 

まず悩みが「モテない」ということではなく,「交際が上手くいかない」と表現するところや,「女性と話すことは苦手ではない」と言及しているところに,オレは他の非モテ童貞野郎とは違うという自尊心を感じざるをえません。また,随所に見られるユーモアらしき表現からも,オレはやっぱオモロいな~と悦に入っている様子が手に取るように分かり,キモイです。

 

しかし,そういったウザイ部分を排除すると,やらせさんが主張することはある程度理が通っているような印象があります。

 

 

ここで,私個人の見解を述べさせていただくとするならば,「される」より「する」ということです。おそらく,今やらせさんは,自分の不完全さを補完してくれるような恋愛を求めているのではないでしょうか。つまり,オレはこんな面倒くさいとこあるけど,他の魅力を買ってオレを貰ってくれ!といった受け身のスタンスを貫いていらっしゃるのです。そういった姿勢は言葉に出さずとも,自然に相手に伝わるものですよ。

 

では,対照的に「する」のスタンスで積極的な姿勢を貫けばいいのかと言うと,そう単純な話ではないようです。無策のままで積極的になってしまうと,相手に迎合するだけのサービス行為になってしまいます。

 

ここで僭越ながら,私のクリスマスが異常に嫌いエピソードをさせていただきたいと思います。クリスマスと聞くと,恋人同士で過ごす聖夜というイメージがあると思いますが,こういった場所や時の力を借りて恋人の時間を演出するのって,プログラミングされているみたいでめちゃ虚しくないですか?と中学生の時から思っていました。今思うとめちゃくちゃうざいガキでしたね。しかし,そんなクソガキだった私もクリスマス前にある女の子から告白されたことがあります。相手は男子の中でもチラホラ人気があるくらいの女の子で,性格が悪い子役というあだ名がついていた当時の私にはもったいないぐらいの女の子でした。しかし,「場所や時の力を借りて恋人の時間を演出するのって,プログラミングされているみたいでメチャ虚しくないですか?」と思っていたので,せっかくのお誘いを断ってしまいました。結局,その娘はすぐに別の男の子に告白していたので,私の見立ては正しかったのかもしれませんが,この経験により,恋愛に対してますます斜に構える見方をするようになってしまいました。一方で,個人としてではなく,クリスマスに過ごす相手として見られるくらいなら,これでよかったとも思いました。

 

長くなってしまいましたが,要するに,積極的に自分の存在を隠して,役割として振る舞う必要はないということです。ここで,寺山修司氏の「家出のすすめ」という本の一節を紹介したいと思います。皇居前広場でキスをするカップルたちを揶揄した以下のような記載がありました。

 

しかし,恋愛とはつねに個人的なものであり,組織的なものではあり得ようはずはないものです。皇居前広場で群がっている恋人たちは,「あすこへ行くとキッスができる」,という場所への依頼感と「まわりの連中を見せると,自分の相手の女の子もその気になるから」という効用論から皇居前広場を選んでいる ~(中略)~ イージ・オーダーの場所ではなく,自分たちの独特のオーダーで,趣味や生活や,感受性にふさわしい場所を発見することこそ,恋のたのしみでなければならなかったのではないでしょうか。

 

寺山修司 「家出のすすめ」 角川文庫 p175-176 より)

 

つまり,皇居前(クリスマス)といった属性の恩恵を受けて,恋愛のままごとをするのではなく,自分のオリジナリティで恋愛をせよ,ということです。

 

交際が上手くいかなかったのは,恋愛自体を楽しみたいと思っている女性側のニーズと,恋人とオリジナルな人間関係を結びたいと思っていたやらせさんのニーズの乖離から生まれたものかもしれません。

 

勿論,そういったあなたの自身の理想を持ち続けることは大切ですが,あなたが1つ理想を持つなら,相手の理想も1つ聞き受けるのが道理でしょう。いや,1つどころではなく,常に自分の2倍許せるくらいの心意気が必要だと思います。今のあなたは,何も与えないくせに「される」ことを待っています。人間は放っておくと,「される」楽なモードに切りかえてしまいがちですが,自分は何も与えないまま「される」ことを待つのはオムツ替えができない赤ん坊と同じです。まずは,無理のない範囲で相手に与えることから始めましょう。自分の2倍与えられるようになって始めて,対等な関係が築けるのです。

 

 

 

 

キン●マは2つ。2倍がんばろう。

 

お悩み相談はこちら↓↓

kodaino704@gmail.com