陰陽,それは,光と闇,正義と悪,太陽と月。相反するように見えるものも,すべて表裏一体の関係でつながっているということを表した考えだ。闇が無ければ光がないし,誰かの正義は他の人から見れば悪,といった具合だ。
しかし,怠け者の我々はついつい二元論的思考で考えてしまう。善か悪か,正解か間違いか,おっぱいかおしりか。確かにどちらかと決めつけらる方が深く考えなくてよいので楽ではあるのだが,そういった短絡的な考えでは,見えない部分もあるかもしれない。
ここに,一人の少年がいる。彼は,正義か悪か。陰か陽か。
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私が通っていた公立中学校は,全国どこにでもあるような,一般的な公立中学校だった。一般的ヤンキーがいて,一般的問題行動を起こし,生徒全体の連帯責任でアオハルを噛みしめるといったよくある学校だった。
そんなしけた学校に加藤君はやってきた。
加藤くんは、第2ボタンまで卍解、眉剃り、色付き靴下と、我々の公立中学校では、指導対象の数え役満といった出で立ちで登場した。当然,地主ヤンキー達に一瞬で目をつけられていた。
この設定だけ見ると,一匹狼のヤンキーが他のヤンキー達と激しい抗争をする様でかっこよく思えるかもしれないが,現実は非情だ。加藤くんは普通にボコボコにされていた。当然バリバリヤンキー達とは上手くやっていけないし,その見た目から,誰も彼とつるもうとはしなかった。しかし,あるグループだけは,彼に歩み寄ったのだ。
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加藤くん「それではこのグループからクエスションです。孤立を極め,救いがないと思われた俺の学生生活に現れたグループとは何でしょう。ヒントは,他の誰かにはなくて,俺にしかないことです。」
デレレデレレデレレデレレテーーーー!!!!!
草野仁「さァ,第一問から難問が来ましたが,どうでしょう黒柳サァン」
黒柳徹子「こーなの簡単すぎでございますよ。かーたんすぎで反吐が出ますよ。」
野々村真「すごいなぁ!!徹子さんは!!」
黒柳徹子「答えは,ズバリ『ヤンキーにあこがれるけど,本物のヤンキーには全く相手にされない女』でございます。間違いございません。」
野々村真「すごいなぁ!!徹子さんは!!」
草野仁「ほうっ・・!自信満々ですね。では,何のひとし君を賭けますか」
黒柳徹子「金の・・・いや,草のひとし君を賭けます。」
草野仁「ほうっ・・・!!私自身を賭けるおつもりですか...!」
黒柳徹子「その通りでございます。正解したら私のものとなり,一生奴隷としてその生涯を全うしていただきます。失敗したら,貴方自身が没収となり,1050年地下行きでございます」
草野仁「なるほどっ・・・!!詰みっ・・という訳ですか!!」
野々村真「すごいなぁ!!徹子さんは!!」
草野仁「では,注目の正解どうなっているんでしょうか。正解こちらです」
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歩み寄ったグループとは,「ヤンキーにあこがれるけど,本物のヤンキーには全く相手にされない女達」であった。
それでは、このクレージーガールズたちを紹介しよう!まずは、リーダーのブロブフィッシュみたいなやつ!
(ブロブフィッシュ)
少女漫画にでてくる性悪女のエキスを母乳代わりに飲んで育ったぞ!
星のカービィのクーみたいなやつ!
(星のカービィ クー)
星のカービィのクーにそっくりだ!!
そして、寝起きのボノロンみたいなやつだぁ!
(ボノロン正常フォーム)
この愉快なメンバーが、加藤くんに急接近した!!
その様子を他の人たちは白けた目で見ていた。そこには恨みや妬みといった類のものはなく、ただ薄い嘲笑の眼差しが向けられていただけだった。そして時々思い出したように「ブロブフィッシュと加藤くんは付き合っている」と面白半分にからかうだけだった。
そんな折にある噂が急速に発達した。
「加藤くんがブロブフィッシュとヤッた。」
ヤるという大人の響きがエンジン全開の男子中学生を捉えることは想像に難くない。未知の領域に対する畏敬と恐怖の念、そして,よりによってあのブロブフィッシュの肉に没入したという生々しさと気色悪さが我々を掴んで離さなかった。この噂はすぐに広まり、ますます加藤くんは嫌われる一方で、密かに勇気ある冒険者と慕う層も出てきた。私もその1人だった。
というのも,加藤くんは2流ヤンキーではあったが、どこかあどけなさと素朴な感じがあり、私は嫌いではなかったのだ。絶対プライベートでは遊びたくはなかったけど、たまに一緒に帰ったりして、話を聞いていた。そして、彼は惜しむこともなく話してくれた。
どういう経緯でブロブフィッシュとやったのか
ブロブフィッシュの豊満な裸...
ブロブフィッシュの淫らに揺れる声...
ブロブフィッシュの秘門...
その全てが私にとって新鮮だった一方で、鮮度が良いことは必ずしも良いことではないと知った瞬間でもあった。
そして,「ブロブフィッシュとヤッた」という噂が収まってきて、皆が加藤くんに対する興味を失い始めた頃、この噂はやってきた。
「加藤くんが寝起きのボノロンとヤッた」
衝撃だった。寝起きのボノロンとヤれたというヴァイタリティーもそうだし、同じグループの女2人に唾をつけるという禁忌を平然とやってのける非人道性も各界に波紋を呼んだ。
残念ながらこの噂により、大半の生徒からは気色悪がられ、烈火のごとく嫌われていた。だが、私は気になった。一体、こいつは何を考えているのか。彼の目から見た世界はどんな世界なのだろうかと。
ある時、私は噂の真意について尋ねた。正確すぎる描写と聞きたくない詳細な情報が噂の真実性を物語っていた。
そして、自分にとっては遠い存在だと思っていた性行為もあのボノロンでさえもやっている普遍的行為なのかと知った瞬間、世界の道理を悟った心地がした。良い意味でも悪い意味でも私の世界にとってのパラダイム的転換だった。
その後、彼に関する噂はパッタリとやんだ。私もその後彼と話した覚えはない。もしかしたら、転校していってしまったかもしれないし、卒業式を一緒に迎えていたかもしれない。しかし、そんな些細なことは大した問題ではない。ただ、無邪気に「ボノロンの穴が意外と小さかった」と笑う彼の姿だけが、我が脳裏に永遠に焼き付いている。
普通に消えて欲しい記憶である。
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テテテレーテレレーテレレレン!!
奴隷仁「黒柳さん,お見事でした。」
黒柳徹子「誰が喋っていいと申し上げたのでしょうか。(拳ダコだらけの右手を掲げる)」
奴隷仁「ビクッ!!!」
野々村真「すごい...なぁ...テツコ..さ..んは....ドシャッ!!(崩れる音)」
奴隷仁「野々村君!?!?脳天に電極が突き刺さって,操られている!?!?」
黒柳徹子「あら,案外脆かったですわね。まぁ,貴方も私の癪に障ったらどのような結末になるかは想像できたのではないですか。」
奴隷仁「どうか...ご慈悲を..」
黒柳徹子「それでは,ワタクシの言うことは何でも従うと誓いますね」
奴隷仁「ハッイ!もちろんです...!!」
黒柳徹子「富める時も,貧しき時も.....従うと誓いますか?」
奴隷仁「...??はい!もちろん」
黒柳徹子「健やかなる時も,病める時も.....死が2人をわかつときまで誓いますか?」
奴隷仁「......?!?」
黒柳徹子「一生...私のそばにいてくれますか??////」
奴隷仁「世界...ふしぎ...発見ッ!!」
デデレレーデレレー!!世界ふしぎ発見!また来週!!